資料紹介

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　「小児の発育の一般原則と地域（生育環境）差について述べよ。」
１．子どもの発育とは
　子どもの身体的変化や心の変化を表す言葉には，「成長」「発達」「発育」といった言葉が用いられるが，その境界が曖昧なことが多い。成長・発達という概念は，子どもを理解するうえで欠かせないものである。子どもの成長・発達をとらえようとする場合には，生活や健康状態，環境とのかかわりと併せてとらえる必要がある。
　①成長とは…計測可能な大きさや重さが増大する形態的変化を指す。したがって，子どもの身長や体重の変化，生歯の変化などを表す場合に成長という言葉で表現される。社会通念として，一般に大人らしい行動をとることや考え方をもつことを成長という表現で表すこともあるが，これは発達という概念に近い。
　②発達とは…子どもの身体や精神の機能が分化していく過程における質的変化を指す。心や身体の働きが分化・統合，複雑化する過程であり，成長と密接な関連性をもち，相互に作用し合って進んでいく。
　③発育とは…成長とほぼ同じ意味で用いられる場合と，「成長と発達」の両方を含めた意味で用いられることが多い。本稿では後者の意味で用いること...

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